一直線女子の映画向上会

国内や海外を問わず映画界の問題点や向上改善に迫っていく次世代型映画ブログ

【映画残念物語】テレビが無視する松竹時代劇映画の巨匠たちの秘め蜜をつっつけ

【映画残念物語】テレビが無視する松竹時代劇映画の巨匠たちの秘め蜜をつっつけ

 

 

 

大曾根辰夫新字体の名義は大曽根辰夫)の戦前は林長二郎(のちの長谷川一夫)、高田浩吉坂東好太郎の松竹時代劇の1930年代を代表する3名の時代劇スターの映画を多く監督、伊藤大輔稲垣浩マキノ雅弘などと共に時代劇四大巨匠にも数えられた衣笠貞之助の戦前の松竹時代劇映画時代に次ぎ、時代劇の名匠の一人の冬島泰三と競い合ったレベルの時代劇監督でした。

戦前の松竹時代劇映画は衣笠貞之助冬島泰三大曾根辰夫が1930年代の松竹のみの時代劇監督のベスト3だと考えています。

 

 

 

 

【映画残念物語】テレビが無視する松竹時代劇映画の巨匠たちの秘め蜜

 

 

 

衣笠貞之助は国民的映画スターの一人の長谷川一夫との歴代上位の名コンビもあり、比較的に取り上げられる機会がある巨匠ですが、冬島泰三大曾根辰夫は名前さえも知らない方が多いかと思います。衣笠貞之助には及ばない部分もありますが、テレビなどのメディアが現在の人々にきちんと取り上げて伝えていかないことが大きな問題であり、背景の存在しています。

 

 

大曾根辰夫は特に戦前は坂東好太郎、戦後は高田浩吉とコンビを形成し、代表作が多く、弥次喜多の題材を6作、忠臣蔵の題材を3作(すべて松竹オールスター)、嵐寛寿郎美空ひばりが共演した鞍馬天狗を3作も監督しました。これらは簡単に挙げられる彼の主な代表作の一端です。

 

 

 

 

巨匠 大曾根辰夫大曽根辰夫)の簡単な代表作

 

弥次喜多もの題材
1937『二代目弥次喜多』 高田浩吉 阿部正三郎
1941『弥次喜多捕物道中』 高田浩吉 藤井貢
1941『開化の弥次喜多』 藤井貢 松永博
1950『エノケン・ロッパの弥次喜多ブギウギ道中』 榎本健一 古川緑波
1957『歌う弥次喜多 黄金道中』 高田浩吉 伴淳三郎 オールスター
1958『すっ飛び五十三次 』 高田浩吉 伴淳三郎 オールスター

 

弥次喜多もの題材は高田浩吉の『伝七捕物帳シリーズ』に次ぐ、代表作題材の一つです。

 

 

忠臣蔵
1954『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』大石内蔵助松本幸四郎 オールスター
1957『大忠臣蔵(1957)』 大石内蔵助市川猿之助 オールスター
1962『義士始末記(1962)』大石内蔵助市川猿之助 オールスター

 

 

上記松本幸四郎=八代目の松本幸四郎、のちの初代の松本白鸚1910~1982)=歌舞伎界の大物の俳優

上記市川猿之助=二代目の市川猿之助(1888~1963)=歌舞伎界の大物の俳優

 

 

 

     

あの頃映画  忠臣蔵 花の巻・雪の巻 [DVD]

あの頃映画 忠臣蔵 花の巻・雪の巻 [DVD]

・1954『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』です。新字体大曽根辰夫の名前もきちんと表記されています。

 

   

嵐寛寿郎鞍馬天狗シリーズ 松竹版
1951『鞍馬天狗 角兵衛獅子』
1951『鞍馬天狗 鞍馬の火祭
1952『鞍馬天狗 天狗廻状』

 

 

鞍馬天狗 角兵衛獅子 [DVD]

嵐寛寿郎美空ひばり1951『鞍馬天狗 角兵衛獅子』

 

 

嵐寛寿郎=時代劇形成と黄金期の時代劇六大スター、剣戟スターの上位の七剣聖に数えられ、1930年代後半から日活三大スター、1942年から後半まで大映四大スターに数えられ、時代劇映画でや現代劇含めた映画スターの上位の一人、日本のシリーズ映画、映像作品、シリーズもの概念の事実上の形成者であり、牽引者の一人、現在に多くの影響。現在で言う文化勲章国民栄誉賞に余裕で該当する。

 

*少女歌手で子役時代の美空ひばりが少年役の杉作で相手役を勤めた伝説の3部作、

 


鼠小僧次郎吉の題材
1934『次郎吉格子』 鼠小僧次郎吉高田浩吉
1937『次郎吉唄ざんげ』 鼠小僧次郎吉高田浩吉

 

 

 

 

大曾根辰夫の戦後と東映大映の日陰ながらの尽力

 


大曾根辰夫は1940年代後半からの時代劇の大スター阪東妻三郎との数本のコンビの後、1953年の阪妻の突然死去により、松竹時代劇の事実上の専属トップとなった高田浩吉、大御所歌舞伎俳優の八代目の松本幸四郎(=初代の松本白鸚、2017年まで九代目の松本幸四郎だった2018年からの二代目の松本白鸚などの父)と多くコンビを形成し、戦後の松竹時代劇映画を牽引した存在でした。

 

魔像 [DVD]

魔像 [DVD]

阪東妻三郎こと阪妻が戦前に挑戦した題材の魔像の松竹&戦後版、自分リメイク

 

 

 

 

戦後の松竹時代劇映画は東映の大手6社の中でもっとも観客を動員した”明るみや娯楽と大衆路線の時代劇映画”や大映の”芸術色のある時代劇映画”のように大きな成功はしませんでしたが、松竹時代劇映画や戦後最大の黄金期に貢献したことは事実です。

 

大曾根辰夫は日本映画史において、現代もきちんと評価されていないことが残念ですが、個人的にも多く視聴している監督であり、一定の評価をしています。1000万人級の爆発的な大ヒットを量産した松田定次や佐々木康などほどはさすがにおかしいとは思いますが、現在以上に評価されるべき巨匠の一人であることは事実です。

 

 

最後に

 

内容はだいぶ違うわけですが、『大忠臣蔵(1957)』と三船敏郎のテレビドラマ『大忠臣蔵(1971)』が同タイトルという面では影響があるので、大曾根辰夫に関してちょっと取り上げました。

 

 

*今回の記事はこのリンク先からの関連記事⇒チワワドラのテレビドラマ愛好世界 【パクリ疑惑】隠れた秀作『剣と風と子守唄』と有名作『子連れ狼』の交差点

 

 

巨匠の大曾根辰夫についてはさらに詳しくリンク先の姉妹ブログ⇒映画を極めろ一直線女子の方で取り上げたいと思います。

 

 

 

姉妹ブログリンク ↓  ↓

t8ujinmht2kmj5822.hateblo.jp

eiga-ityokusen-jyosi-tubuyaki.hatenablog.com