映画を極めろ一直線女子 新神風は吹かなかった 戦地消失した日本制作インド映画IN将来名優を公開いたしました。
「マスメディアが取り上げない渡辺邦男映画伝説 本当大巨匠伝説の数々功績に迫れ」と題してスタートです。
渡辺邦男といってもどんな監督かわからない方が多数いると思います。
テレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアは未だに都合がよい過去の巨匠は黒澤明、小津安二郎ばかりを誇張してグルグル回しているだけだからです。だから現代の映画界が狂うのです。多様性が無さぎるし、あきれてものも言えなくなるし、日本人として自分さえも情けない恥じる狂った現状です。
渡辺邦男はこの二人のように簡単にいうことは不可能です。あえて一言でいうならありえないくらいに多作で多彩に活躍した映画監督だったというのが一言になります。
前回の流れの記事 ↓ ↓
eiga-ityokusen-jyosi-tubuyaki.hatenablog.com
渡辺邦男の戦後の監督数 会社別
前回は戦後の通産の内訳を取り上げていませんでしたので今回は取り上げます。
渡辺邦男の戦後の監督数 会社別多い順
新東宝49 (東宝の配給時代も含む)
東映44 (前身の東横、ニュー東映含む) 93
東宝32 (新東宝の配給も含む、傘下会社の宝塚映画や東京映画も含む) 125
大映18 143
松竹12 155
日活0
戦後の日本映画の大手6社中の5社で10作以上を記録指定まし。これは戦後の最多記録です。アメリカ(ハリウッド)の戦後で大手5社で二桁を記録した映画監督は誰もいませんし、渡辺邦男の世界的な大記録といえます。
ちなみに黒澤明と小津安二郎の唯一無二の世界記録は何もありません。
*ここでは新東宝と東宝は制作が新東宝、配給が東宝のものはダブルカウントしています。なので戦後の監督の通算数をすべての総数が上回ります。
一応書きますが新東宝は1950年代前半まで東宝の配給を受けていました。その後は新東宝で制作と配給を行うことになります。なので新東宝映画でもあるんですが、東宝映画でもある現実が存在しています。上記本数はこのようにダブルカウントの数です。
渡辺邦男の総監督数 会社別の通産数順
渡辺邦男の総監督数 会社別の通産数多い順
東宝68 (初期の新東宝の配給のみも含む)
日活51 119
新東宝49 168 (新東宝の配給も含む、傘下会社の宝塚映画や東京映画も含む)東映44 210
大映18 228
松竹12 240(通産)
ここでは新東宝と東宝は、制作が新東宝、配給が東宝のものはダブルカウント(10作ほど)しています。
また、大手6社で10作以上の二桁監督数を記録しています。これは歴代で渡辺邦男だけの大記録です。そのうち東宝、日活、新東宝、東映の大手4社で40作以上を記録しています。これも大記録です。ちなみに黒澤明の通産監督数は31作、渡辺邦男の大手4社で40作以上の1社分の本数さえも下回る低い貢献度です。
戦後は存在していませんが、マキノプロダクション(戦前の大手映画会社)も大手に含むとするとマキノ雅弘も大手6社の通産監督数が10作以上となり、渡辺邦男と並んで歴代2名のみの大記録と数えることができます。
時代劇と現代劇の二大ジャンル、特に時代劇の貢献のほうが大きいといえるでしょう。この二大ジャンルの細部ジャンルで現代に続く多くの流れに幅広く貢献しました。
多くの有名題材 (1度以上の関与、1作にだぶるものもあり)
歌謡、丹下左膳、戦争や恋愛の大陸三部作、坊っちゃん、オールスター、武蔵坊弁慶、野球やラグビーのスポーツ、女性物、青春、股旅、怪談、怪猫、遠山の金さん、忠臣蔵、大菩薩峠、探偵や事件や推理の金田一耕助、
天一坊、文芸、水戸黄門、南国太平記、仇討ちの荒木又右衛門、鳴門秘帖、里見八犬伝、僧侶や僧、金田一耕助、岩見重太郎、隠密七生記、社長、明治天皇、社員、サラリーマン、裁判、修羅八荒、雪之丞変化(下記記事に登場)、天保水滸伝、蛇姫様、宮本武蔵、大岡越前、元寇、べらんめえ芸者、民謡の旅
主な代表作群だけでもなんと実に多彩なことに45題材以上にものぼります。変幻自在で多種多様、多彩過ぎる現実、高い対応力を兼ね備えていたことがいえます。主な代表作群を含めなければ、なんと60題材以上にものぼります。現在の監督の多様性など、彼の足元だということもわかります。ちなみに黒澤明や小津安二郎は題材に有名な題材が少なく、この数分の1のレベルです。
渡辺邦男は10名を越す大スターと映画で成功を収めましたが、その一人が美空ひばりです。
写真が鮮明で大きいので写真はVHS版を選びました。2019年で没後30年の大スター美空ひばりと渡辺邦男のコンビの時代劇映画の最大の代表作がこの『ひばりの三役 競艶雪之丞変化』の前後編であり、上記リンク画像の作品タイトルは美空ひばりの競艶雪之丞変化(前・後編とありますが、1本にまとめたバージョン)となっています。
「雪之丞変化」は1930年代から何度も映画化されてきた時代劇映画の有名題材の一つです。美空ひばりは新東宝映画への出演はデビューから数少ない状態でしたが、これが唯一の代表作になりました。助演含めると出演はありますが、新東宝の制作主演作は1957『ひばりの三役 競艶雪之丞変化』の前後編が通算2本目です。ここでの制作主演作は配給は含まない。
新東宝の制作主演作の1本目は1956『鬼姫競艶録』(時代劇)が最初で、監督は渡辺邦男でした。このことな何を物語るのか、信頼できる、渡辺邦男とのコンビだから、渡辺邦男が美空ひばりにとって大変に信頼できる人物だから出演したものと考えられます。しかも有名題材の「雪之丞変化」、渡辺邦男は信用、信頼に値する自分を活かしてくれる、良くみせてくれる人物だったのです。
1957 『ひばりの三役 競艶雪之丞変化』 新東宝
1957 『ひばりの三役 競艶雪之丞変化 後篇』 新東宝
DVDは競艶雪之丞変化の商品タイトルになっています。
大まかな時代劇と大まかな現代劇
・大まかな時代劇映画の功績
時代劇とスターに長年にわたり、大きく貢献、大河内傳次郎の最大の代表作の丹下左膳シリーズを4作、片岡千恵蔵の上位代表作の遠山の金さんシリーズを3作、大菩薩峠の最初の3部作(のちの千恵蔵×内田吐夢コンビでも2度目の3部作が作られる)の3作、事実上の松田定次が引き継いだ東映オールスター映画の形成に東横時代からの貢献(のちに東映が日本映画黄金期の全般で大手1位の原動力の一つのジャンル)、水戸黄門を市川右太衛門と長谷川一夫の3作、ライバルの時代劇形成監督の一人のマキノ雅弘と競う歴代トップ級の人数で時代劇スターのコンビで成功を収めました。
時代劇映画の単発の最多観客動員の長谷川一夫の『忠臣蔵(1958)』、同時に大映映画史上最多観客動員を記録(大映の権利を持つ現角川映画も含む)
・大まかな現代劇の功績
長谷川一夫の最大の現代劇代表作の大陸三部作の通産4作、『誰か夢なき』、『エノケンのホームラン王』などのスポーツ映画の形成に貢献、エノケンや森繁などによる喜劇映画への貢献、1934『さくら音頭』(マキノ正博、のちのマキノ雅弘と共同監督)、『うら街の交響曲』はいわゆる歌謡映画、歌を題材にした映画の走りに大きく貢献。日活では渡辺邦男、松竹では佐々木康は大きく貢献しました。現代劇映画の単発の最多観客動員の嵐寛寿郎の『明治天皇と日露大戦争』、同時に新東宝映画史上最多観客動員を記録
これだけだとまだわからないかと思うので、次回はさらに迫ります。