一直線女子の映画向上会

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摩訶不思議 「いなばWanちゅ〜る」もう1本コールと『刺青奇偶』『雪之丞変化』時代劇四大巨匠「泉笠」

 

 

オモテ記事の最新ブログ 映画を極めろ一直線女子 【映画論争点】1000万人映画11から22へ倍増 興行収入と観客動員のまやかし 六大俳優の国立映画アーカイブ不平等

を公開いたしました。映画愛子自身としても、だいぶ攻めているとは感じています。

 

 

 

今回のこのウラブログの新記事は「摩訶不思議 「いなばWanちゅ〜る」もう1本コールと『刺青奇偶』『雪之丞変化』時代劇四大巨匠「泉笠」」です。毎回ですが記事タイトル悩みました。

 

今や普通なタイトルでは物足りないのが現実です。今と過去のつながり、普遍性を表現、それと「泉笠」の謎を含んでいます。分かりやすいと思いますが、考えてみていただきたいためです。

 

 

 

 今回の記事として正当な前回の流れは「日本映画史を揺るがす謎のポスター」から続いています。

ura-michi-bayari.hateblo.jp

 

ですが、 ウラ記事の流れとしては、この下記のリンク記事が今回の記事の前の最新です。ちょっとややこしい流れです。少しはつながりがあるため、両方とも前回と考えてくれても悪くはありません。

eiga-ityokusen-jyosi-tubuyaki.hatenablog.com

 

 

 

今回の記事も独自な感覚と関連、個性的なサイコロの回り方をしていきます。映画愛子もリピーターの製品、あの有名CMも絡めています。

 

 

 

 

 

 

ひらがな含むと3本の「刺青奇偶」と「いなばWanちゅ〜る」のもう1本コールがつながる

 

 

 

 

ポスターのタイトルにある『遠山金さん捕物帖 いれずみ奇遇』の同タイトルも存在していません。しかし、このタイトルに近い片岡千恵蔵主演の映画があります。それは「刺青奇偶」です。

 

それは千恵蔵と前衛系(アート系)時代劇の先駆者ともいわれる巨匠・伊丹万作のコンビによる1933年の「刺青奇偶」です。このコンビはのちの東宝などの喜劇時代劇につながる痛烈な風刺要素を含んだナンセンス時代劇を形成しました。

 

また、もう1本あります。2020年に流れていた犬用のいなばちゅーるのテレビCM 「いなばWanちゅ〜る」のような状況、犬が飼い主に催促するもう1本、もう1本コールのように、1933年の「刺青奇偶」のリメイク映画が作られています。もう1本とせがまれる支持を集め、1933年の「刺青奇偶」が変化をくわえて再映画化されています。

 

もう1本では留まらず、ポスターのタイトルにある『遠山金さん捕物帖 いれずみ奇遇』を含むともう2本です。

 

 

いなばWanちゅ〜る


いなばWanちゅ〜る 総合栄養食 もう一本 篇

 

 この動画のように映画でも催促されてもう1本があります。

 

 

 

 

 

 

『遠山金さん捕物帖 いれずみ奇遇』が描かれた謎のポスター

ub28504遠山金さんいれずみ奇偶むっつり右門捕物帖緋鹿の子異変ポスター 嵐寛寿郎 片岡千恵蔵

 

 

 

1933年の「刺青奇偶」は、千恵蔵自身によるリメイク、リニューアル映画として、衣笠十四三(巨匠衣笠貞之助実弟)を監督に迎えて、1936年に再び公開されています。

 

『刺青奇偶』は同名で1933と1936の映画があり、1936年のリメイク版は、脚本の鼠小僧次郎吉を連想させるような泉次郎吉の名義が気にかかりますが、これは時代劇四大巨匠に数えられる衣笠貞之助ペンネームです。まずは記事タイトルの一文字の泉です。

 

 

当時、衣笠貞之助林長二郎(のちの長谷川一夫と1930年代から名コンビを形成、コンビの上位代表作は1933年の『鯉名の銀平』、1934年の『沓掛時次郎』、同年の『一本刀土俵入り』の特に大きな代表作3本で、片岡千恵蔵稲垣浩の名コンビと並び、股旅時代劇の形成と牽引に大きな貢献、

 

さらに大ヒットした1936年の「雪之丞変化」3部作ののちは松竹を離れて、東宝時代の1940年の「蛇姫様の前後編」、1950年の『紅蝙蝠』、大映時代『鯉名の銀平』と同原作のリニューアル作品の1951年『月の渡り鳥』、外国向けに大映が製作した1953年の『地獄門』、1956年の『月形半平太 花の巻 嵐の巻』までこのコンビは成功を収め、時代劇の形成と定着、黄金期の牽引に大きく貢献しました。記事タイトルのもう一つの衣笠ので衣です。

 

時代劇の父こと伊藤大輔稲垣浩マキノ雅弘に次ぐ四番手、または同格級ともいわれた、時代劇四大巨匠の一人が衣笠です。

 

 

 

貞之助のペンネームの理由は1936年の「刺青奇偶」の脚本を手掛けたときは、松竹の時代劇映画の若手の名監督だったことが影響しています。松竹映画ではなく千恵プロ映画(映画スターによる映画製作会社で歴代もっとも成功した片岡千恵蔵プロダクションの略称)、会社が異なるため、ペンネームを起用したわけです。

 

別会社でわざわざ片岡千恵蔵へ脚本を提供しました。それだけ千恵蔵が当時、破格の活躍の流れでしたし、実の弟の衣笠十四三の活躍をサポートしたい兄弟愛を感じることができる映画が、十四三監督作の「刺青奇偶」だったことも理由だといえるでしょう。そう、この「刺青奇偶」は自身の実の弟の衣笠十四三の監督デビュー作で千恵プロの専属監督としてデビューを果たしました。そのデビュー祝いもかねて脚本参加が実現したという理由もあります。

 

 

 

 

 

 

雪之丞変化』を通じた継承 伊藤大輔衣笠貞之助から市川崑和田夏十へ引き継がれたもの

 

 

 

衣笠貞之助の代表的な映画作品、題材の一つが『雪之丞変化』です。通産だと長谷川一夫とのコンビでも知られる衣笠ですが、伊藤大輔丹下左膳題材、稲垣浩宮本武蔵題材、マキノ雅弘の次郎長題材(清水次郎長)などの時代劇四台巨匠の他の3人ほどは、有名題材やシリーズ物の本数にイマイチ恵まれませんでしたが、彼の中でもっとも本数が存在する製作参加作品がこの『雪之丞変化』です。

 

 

伊藤大輔丹下左膳題材、稲垣浩宮本武蔵題材、マキノ雅弘の次郎長題材(清水次郎長)などの部分についてですが、これは表記すると多くなるため、自身のトップ題材のみを表記しています。4名とも他にもいくつなの国民的題材で成功を収めていますが、別の機会に迫ります。

 

 

雪之丞変化

雪之丞変化

 


1963年の大映オールスター映画『雪之丞変化』です。長谷川一夫の映画出演300作記念作品として製作されています。長谷川の通産映画主演数は1920年代からの長年のライバルの千恵蔵、右太衛門(市川右太衛門)の両御大のように主演300作までは届かず、確認できる本数は270本強です。世界歴代映画主演数歴代ベスト10へランクイン、残念ながらこの映画は年間観客動員ベスト10にはランクインしませんでした。

 

 

1963年の大映オールスター映画『雪之丞変化』は1935~1936年の大ヒットした長谷川が林長二郎名義時代の「雪之丞変化の3部作」の自身による戦後版の戦前のリニューアル映画で、戦前はモノクロ、戦後はカラー、長谷川は江戸時代の舞台の女形の人気の舞台役者を演じ、自身の歌舞伎俳優時代の女形を投影させた特徴もあり、これも独自な個性的な魅力となってヒットを高めました。

 

脚本は伊藤大輔衣笠貞之助の時代劇2大巨匠が担当する豪華さ、3部作で監督の衣笠は脚本を担当、衣笠の大映映画の後輩監督の、のちの巨匠の市川崑が監督を担当しました。またシナリオ表記の参加は市川崑の妻で名脚本家の和田夏十です。共同で製作に関与した伊藤大輔衣笠貞之助から時代劇のセリフや展開、その個性など学んだ部分があったと考えられます。

 

 

市川崑和田夏十はのちのテレビ時代劇の代表作、大ヒット股旅物『木枯し紋次郎』(1作目は1972年)脚本参加作品に、久里子亭和田夏十市川崑の共同ペンネーム)として、この2大巨匠との関わりを役立てています。『木枯し紋次郎』の主題歌の上条恒彦(上條恒彦)の「だれかが風の中で」の作詞は和田夏十です。

 

 

 

 

長谷川一夫雪之丞変化

1935『雪之丞変化 第一篇』 林長二郎名義 松竹映画
1935『雪之丞変化 第二篇』
1936『雪之丞変化 解決篇』
1936『雪之丞変化 総集編』(現存する1~3の総集編)

1963『雪之丞変化大映オールスターキャスト 長谷川一夫名義 大映映画

 

 

 

長谷川一夫雪之丞変化は総集編は含まず4作で最低でも500万人以上の観客動員は記録したと考えられています。個人的には戦後を含んでも1000万人まで届いていないと考えています。片岡千恵蔵大菩薩峠6本(娯楽の大巨匠渡辺邦男と前衛の大巨匠内田吐夢との2大コンビ3本ずつ)と通じるかもしれませんが、正確な数字が出ていないため、可能性の範囲ですが、4作で1000万近い可能性はあります。どちらにしても大ヒットしたことは事実です。

 

 

 

謎ポスターから派生分岐した今回の記事

 

 

謎ポスターから派生分岐した今回の記事は、いなばちゅーるのCMのもう1本コールのように、「刺青奇偶」と「雪之丞変化」は互いがリニューアル映画が作られ、この2題材に千恵蔵、長谷川の日本映画が左右の双璧、最大のライバルと同じ製作者の衣笠貞之助が関与していました。それは監督だけではなく脚本を含めてです。

 

 

 

 

姉妹のドラマブログの最新リンク 次回の記事のときに下記事にいくつかの動画リンクを張る予定です。

 

チワワドラのテレビドラマ愛好世界 三浦春馬の自殺を肯定しているように平気で報道するテレビ各社の悪事

 

 いやならやめたらよいのに、どんな理由があっても天からの恵の大切な命を投げ出す自殺はいけません。